【小川未明作品翻译】海の少年(1)
今年ことしの夏休なつやすみに、正雄まさおさんは、母かあさんや姉ねえさんに連つれられて、江えの島しまの別荘べっそうへ避暑ひしょにまいりました。正雄まさおさんは海うみが珍めずらしいので、毎日まいにち朝あさから晩ばんまで、海辺うみべへ出でては、美うつくしい貝かいがらや、小石こいしなどを拾ひろい集あつめて、それをたもとに入いれて、重おもくなったのをかかえて家うちへ帰かえると、姉あねや妹いもとに見みせて、だんだんたくさんにたまるのを見みて、東京とうきょうへのおみやげにしようと喜よろこんでいました。
今年暑假,小正雄被妈妈和姐姐带着去江之岛的别墅避暑。因为很少见到海,所以正雄每天从早到晚,走到海边,捡起漂亮的贝壳和小石头等,然后放入袖子里,再抱着沉沉的东西回家,给姐姐和妹妹看。他看着自己渐渐的积存了大量的东西,想着把这些东西作为回东京的礼物,就感到很高兴。
ある日ひのこと、正雄まさおさんは、ただ一人ひとりで海うみの方ほうから吹ふいてくる涼すずしい風かぜに吹ふかれながら波打なみうちぎわを、あちらこちらと小石こいしや貝かいがらを見みつけながら歩あるいて、
一天,正雄,单独一个人,一边吹着海上的凉风,一边走在海滩边,到处寻找小石块和贝壳,
「見みつかれしょ、見みつかれしょ、己おれの目めに見みつかれしょ。真珠しんじゅの貝かいがら見みつかれしょ。」といいました。
说道:“找着吧。找着吧。被我找着吧。找着珍珠的贝壳吧。”
青々あおあおとした海うみには白帆しらほの影かげが、白鳥はくちょうの飛とんでいるように見みえて、それはそれはいいお天気てんきでありました。
碧绿的大海上有白帆的影子,看起来好像天鹅在飞翔,那真是一个好天气。
そのとき、あちらの岩いわの上うえに空色そらいろの着物きものを着きた、自分じぶんと同おなじい年としごろの十二、三歳さいの子供こどもが、立たっていて、こっちを見みて手招てまねぎをしていました。正雄まさおさんは、さっそくそのそばへ駆かけ寄よって、
那时,在那边的岩石上站着一位穿着天蓝色衣服,和自己差不多大的十二三岁的孩子,看着正雄这边招手。正雄立刻跑到男孩身边,
「だれだい君きみは、やはり江えの島しまへきているのかい。僕ぼくといっしょに遊あそぼうじゃないか。」といいました。
说:“你是谁,来江之岛玩的么?要不和我一起玩吧!”
空色そらいろの着物きものを着きた子供こどもはにっこり笑わらって、
穿着天蓝色衣服的孩子微微一笑,
「僕ぼくも独ひとりで、つまらないから、君きみといっしょに遊あそぼうと思おもって呼よんだのさ。」
说:“我也是一个人,因为很无聊,所以想着和你一起玩来着就叫你了哦。”
「じゃ、二人ふたりで仲なかよく遊あそぼうよ。」と、正雄まさおさんは、その岩いわの下したに立たって見上みあげました。
“那我们好好玩吧。”正雄站在那块岩石下,抬起头来说道。
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